朝外に目をやるといつもより明るい。まだ6時台だけどちゃんと寝たような気がする。それもそのはずだ。いつの間にか夏時間が終わったのだ。たった1時間の違いなのに、なんだか調子が狂う。
夏時間(サマータイム)とはDaylight Saving Timeといって、第一次世界大戦中に燃料の消費を抑えるために北米で導入され、第二次世界大戦中にも復活して欧州・北米で使われている。ところが実際のところ省エネにもなってないのではないかという議論もあるらしい。
睡眠リズムも崩されて健康に悪いと、アメリカの睡眠学会は夏時間廃止を訴える生命を出している。[AASM, 2020] 2018年には、ヨーロッパで夏時間廃止について選挙が行われ、84%が廃止に賛成したのだという。たしかに割とみんな嫌っている。まだ夏時間が現役なのは、夏時間に揃えるか、冬時間に揃えるかで合意形成ができなかったからだとか。アホちゃうか。。。
起床時間を揃えるのが睡眠制限や刺激統制で重視されている。何時間もずれるのはさておき、1時間位いいじゃないかと言われることもあるけれど、やはりちゃんと揃えるほうが良さそうだ。
Rishi MA, Ahmed O, Barrantes Perez JH, Berneking M, Dombrowsky J, Flynn-Evans EE, Santiago V, Sullivan SS, Upender R, Yuen K, Abbasi-Feinberg F, Aurora RN, Carden KA, Kirsch DB, Kristo DA, Malhotra RK, Martin JL, Olson EJ, Ramar K, Rosen CL, Rowley JA, Shelgikar AV, Gurubhagavatula I. Daylight saving time: an American Academy of Sleep Medicine position statement. J Clin Sleep Med. 2020 Oct 15;16(10):1781-1784. https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC7954020
名古屋市立大学医学部卒業後、南生協病院での初期研修を経て、東京大学医学部附属病院精神神経科、東京武蔵野病院で専攻研修。日本専門医機構認定精神科専門医、精神保健指定医。臨床と並行してメタアナリシス(用量反応メタアナリシス、要素ネットワークメタアナリシスなど)を中心とした臨床研究を主導。筆頭著者として、JAMA Psychiatry, British Journal of Psychiatry, Schizophrenia Bulletin, Psychiatry and Clinical Neuroscienceなどのトップジャーナルに論文を発表。不眠の認知行動療法 (CBT-I) などの心理療法や、精神科疾患の薬物療法について、臨床で抱いた疑問に取り組んでいる。
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