- 更年期障害でイライラして眠れない!
- ほてってしまって目が覚める…
- 更年期障害か不眠か、疲れが取れない
更年期になると、ホルモンバランスが変化します。これが原因となり、ほてり、イライラなどいろいろな症状が出ます。不眠もその1つです。リラクゼーション法や漢方を試して、それでもダメなら睡眠薬というのが現状でしょう。不眠症治療の第一選択の不眠の認知行動療法CBT-Iは、更年期障害の不眠症にも有効です。
この記事では、更年期障害の不眠に関するCBT-Iの実証研究を紹介します。睡眠制限など、単体でも有効性が示されていますので、ぜひ試してください。
更年期障害に不眠はつきもの
更年期女性の4割程度に不眠が認められます。ある調査では、ほてりが強い人の約65%に睡眠に関する問題が認められました。更年期障害に不眠はつきものといえそうです。
更年期不眠に対するCBT-Iのエビデンス
不眠症治療の第一選択とされる不眠の認知行動療法CBT-Iが、更年期の不眠にも有効だというランダム化比較試験が複数報告されているので紹介します。MsFLASH試験:JAMA Internal Medicineという内科系のトップジャーナルに発表された臨床試験です。CBT-Iと更年期障害の心理教育を比較。8週の時点で、更年期障害の心理教育を受けた人の19% (10/53) が不眠でなくなったのに対して、CBT-Iでは62% (37/53) でした。
CBT-Iだけでなく、睡眠制限だけという簡易版も比較したランダム化比較試験もあります。睡眠衛生指導と比較して、CBT-Iも睡眠制限も有効でした。簡易版である睡眠制限単体でも有効でしたが、CBT-Iの方がより有効でした。まずは睡眠制限に取り組み、十分でなければ他の要素も含めたCBT-Iに取り組むというのが良いかもしれません。
CBT-Iをもっと知りたい方は
こちらのまとめもどうぞ。
名古屋市立大学医学部卒業後、南生協病院での初期研修を経て、東京大学医学部附属病院精神神経科、東京武蔵野病院で専攻研修。日本専門医機構認定精神科専門医、精神保健指定医。臨床と並行してメタアナリシスを中心とした臨床研究を主導。筆頭著者として、JAMA Psychiatry, British Journal of Psychiatry, Schizophrenia Bulletin, Psychiatry and Clinical Neuroscienceなどのトップジャーナルに論文を発表。不眠の認知行動療法 (CBT-I) などの心理療法や、精神科疾患の薬物療法について、臨床で抱いた疑問に取り組んでいる。メディア報道・講演など。
免責事項:当ウェブサイトは所属団体の意見を代表するものではありません。管理人は、細心の注意を払って当ウェブサイトに情報を作成していますが、情報の正確性および完全性を保証するものではありません。当ウェブサイトの情報もしくはリンク先の情報を利用したことで直接・間接的に生じた損失に関し、管理人は一切責任を負いません。