研究アイデアを書き溜めるようにしています。そうすると1−2年のうちに先を越されることが多々あります。強迫性障害に対するSSRIの用量反応メタアナリシス、精神病性うつ病の治療法に関するNMA、アカシジア治療のNMA、ボルチオキセチンの用量反応メタアナリシスなどです。悔しいですが、Lancet Pyschiatryなどのトップジャーナルに掲載されると、目の付け所は悪くなかったのだとも思えます。
しかし、どうせ誰かがやってくれるなら、なぜわざわざ自分がやるのでしょうか。
よりよい研究を提示するため
同じテーマで同じ手法を使っていても、類似論文の質に満足できないことが多々あります。アカシジアの論文は、ランダム化比較試験に基づくとはいえとても数が少なく結果の信頼性が低いものを推奨していました。ボルチオキセチンの用量反応メタアナリシスは、検証されていない高用量も有効かもしれないとアブストに書くなど、アンフェアに高用量を推奨していました。
しかし、同じテーマで同じ手法の論文があると、自分たちの論文を出そうにも差をアピールするのが簡単ではありません。問題があると思ったらレターを出すなどする程度でしょうか。
自己満足のため
結局は自己満足のためにやっているのかもしれません。論文出したら自慢したいですし。
名古屋市立大学医学部卒業後、南生協病院での初期研修を経て、東京大学医学部附属病院精神神経科、東京武蔵野病院で専攻研修。日本専門医機構認定精神科専門医、精神保健指定医。臨床と並行してメタアナリシス(用量反応メタアナリシス、要素ネットワークメタアナリシスなど)を中心とした臨床研究を主導。筆頭著者として、JAMA Psychiatry, British Journal of Psychiatry, Schizophrenia Bulletin, Psychiatry and Clinical Neuroscienceなどのトップジャーナルに論文を発表。不眠の認知行動療法 (CBT-I) などの心理療法や、精神科疾患の薬物療法について、臨床で抱いた疑問に取り組んでいる。
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