メディカ出版より『ねころんで読める不眠症』を出版しました
メディカ出版の「ねころんで読める」シリーズより、『ねころんで読める(けどねころんじゃいけない)不眠症:睡眠衛生指導や睡眠薬より効く不眠症治療、教えます』を出版します。
臨床家のための不眠の認知行動療法マニュアルや不眠症・睡眠薬ガイドライン・エビデンス比較表といった本ブログの記事を下地に、非専門医はもとより、心理職・看護師・薬剤師・作業療法士など多職種の方に活用してもらえるように書きました。ぜひ手にとって見てください。

本書を執筆するにあたって、次のような工夫をしました。
目次
①表紙に”CBT”を使わなかった
不眠症治療でいちばん重要なのは不眠の認知行動療法です。これが本書でも一番伝えたいことですが、相談をしたほぼすべての編集者から、「認知行動療法と謳うと難しいと思われる」というフィードバックを頂きました。私には意外でしたが、それだけ指摘されるということは、そうなのでしょう。
確かに、うつ病の認知行動療法と比べると格段に少ないものの、すでに「不眠の認知行動療法」の書籍は複数出ています。そこまでたどり着いて手にとっていただける方には新しい書籍は必ずしも必要ないでしょう。不眠の認知行動療法についてはそこまで強い関心はないけれど不眠症については勉強したいと思っている方に届けるのが本書の目標です。(届きますように🙏)
②「ねころんじゃいけない」を付け加えた
『ねころんで読めるてんかん診療』で有名なねころんで読めるシリーズの一つとして出版させていただける話をいただき、大変光栄に思いました。同時に、CBT-Iの原則としてはねころんでほしくないんだけどなぁという迷いもありました。
そこで、副題として「ねころんじゃいけない」を付け加えさせていただきました。細かいところは忘れても、「不眠症治療のためにはねころんじゃいけないらしいんだよな」、という点が頭に残るといいなと思っています。
③心理職・看護師・作業療法士・薬剤師による実践例を紹介
本書では多職種によるCBT-Iの実践例を紹介しています。異なる立場からの実践の工夫を私としても大変勉強になりました。不眠症は非常にコモンで、特定の科や特定の職種で対応しきれるものではありません。多くの方に興味を持っていただき、協力して取り組んでいけたらと思っています。
④あえて外した定番図表
不眠症に関する医学書で定番とも言える図表のいくつかをあえて外しました。
1つ目は、「睡眠薬の適正な使⽤と休薬のための診療ガイドライン(2013)」のフローチャートです。10年以上が経過しており、エビデンスや世界の潮流を踏まえて外しました。
2つ目は、覚醒←→睡眠のシーソーモデルです。ベンゾジアゼピン系は睡眠を賦活し、オレキシン受容体拮抗薬は覚醒を抑えることで眠くなる、という説明に使われます。基礎医学的には重要ですが、臨床的にそこを区別する意義を感じたことがありません。
3つ目は、血中半減期の表です。もしかしたらベンゾジアゼピン系が主流だったときには妥当だったのかもしれませんが、オレキシン受容体拮抗薬が主流となった今、血中半減期で使い分けをすることはありません。

名古屋市立大学医学部卒業後、南生協病院での初期研修を経て、東京大学医学部附属病院精神神経科、東京武蔵野病院で専攻研修。日本専門医機構認定精神科専門医、精神保健指定医。臨床と並行してメタアナリシスを中心とした臨床研究を主導。筆頭著者として、JAMA Psychiatry, British Journal of Psychiatry, Schizophrenia Bulletin, Psychiatry and Clinical Neuroscienceなどのトップジャーナルに論文を発表。不眠の認知行動療法 (CBT-I) などの心理療法や、精神科疾患の薬物療法について、臨床で抱いた疑問に取り組んでいる。メディア報道・講演など。
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