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【論文紹介】統合失調症合併不眠症にも不眠の認知行動療法が有効か

◆統合失調症で不眠症状が頻発することは100年以上前から知られていますが、正式な症状評価の対象には含まれておらず、治療法も確立されていませんでした。

◆不眠症の治療法の第一選択は不眠の認知行動療法(CBT-I)ですが、症状悪化の懸念から統合失調症患者は臨床試験から除外されることが多く、統合失調症に合併する不眠症に対してCBT-Iが有効かどうかは確認されていませんでした。

◆統合失調症に合併する不眠症に対してもCBT-Iが有効であり、統合失調症状の悪化の懸念は小さいことが示唆されました。今後のさらなる検証と、臨床への応用が期待されます。

〈背景〉統合失調症合併不眠症の治療法は未確立

統合失調症では他の人に聞こえない声が聞こえる症状が有名ですが、様々な症状が伴い、不眠症状もそのうちの1つです。不眠症状は統合失調症の前駆症状や、再発の前兆としても出現することがあり、患者さんのQoLを大きく損なうものです。しかし、統合失調症症状の評価尺度には睡眠症状は含まれておらず、治療法も確立されていません。

不眠症の治療法としては不眠の認知行動療法(CBT-I)が薬物療法よりも長期的にも短期的にも有効かつ安全であり、第一選択として推奨されています。しかし、統合失調症に合併する不眠症については、睡眠時間が一時的に減少して症状悪化につながるのではないかという懸念から対象外とされてきました。つまり、統合失調症に合併する不眠症は重要な課題でありながら、不眠症の第一選択の治療法の対象外とされてきたのです。

そこで本研究では、統合失調症合併不眠症に対して、①CBT-Iが不眠症状を改善するか、②CBT-Iが統合失調症場を悪化させないかを検討しました。

〈内容〉RCTのSR&MAを行った

はじめに系統的レビューを行い、公表されている臨床試験に関する論文の中から、成人(18歳以上)の統合失調症合併不眠症に対する治療法としてCBT-Iと対照群とを比較したランダム化比較試験の論文を収集し、3つのランダム化比較試験(137人の参加者)を特定しました。

〈結果〉①不眠症状に対して有効である、②統合失調症の症状悪化の懸念は小さい。ただし、今後のさらなる検証が必要

その結果、統合失調症合併不眠症に対しても不眠症状の改善効果が明らかであること、統合失調症の症状についての効果は明らかではないものの悪化させる懸念は小さいことが明らかになりました。(図1)

1CBT-Iの不眠症状と統合失調症症状に対する効果

〈今後の展望〉

統合失調症合併不眠症の治療法はこれまで確立されておらず、本研究の結果を踏まえ、CBT-Iの検証がより進み、臨床応用につながることが期待されます。統合失調症の治療においては多剤併用が課題となっており、薬剤を増やさずに症状の改善に繋がる可能性があるCBT-Iに期待がかかります。

Furukawa Y, Salahuddin NH, Mao J, Bighelli I, Leucht S. Cognitive behavioral therapy for insomnia in people with schizophrenia: a systematic review and meta-analysis. Journal of Psychiatric Research. 2025. https://doi.org/10.1016/j.jpsychires.2025.09.083

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